コラム・レポート

従業員の声を企業価値へ

作成者: 服部 崇宏|Nov 25, 2025 12:00:00 AM

従業員の声を企業価値へ

~Qualtrics製品を活用したNSSOLのEX向上支援 ~

 2025年11月10日、東京・大手町プレイスで開催された「Qualtrics EX Conference 2025」にて、日鉄ソリューションズ(NSSOL)は協賛企業として展示ブースを出展。人的資本経営の実践を支援する「ソシキノミライ 人的資本シリーズ」についての取り組みを紹介しました。本コラムでは、NSSOLが活用するQualtrics社の「XM for Employee Experience」を用いた、EX※向上に向けた支援の全体像と、展示ブースで発信されたインサイト※をレポートします。

※EX(従業員エクスペリエンス):従業員が企業で働く中で感じる体験全体を指し、満足度や働きがい、成長実感などを含む概念
※インサイト:データの奥にある本質的な気づきや、行動につながる示唆のこと

 

 

 

EX向上の課題にどう向き合うか

EX向上は、人的資本経営の中核的なテーマであり、企業の持続的成長に直結する重要な取り組みです。しかしながら、実際には「サーベイ※の分析ノウハウがない」「施策が従業員に響かない」「エンゲージメントスコア※が上がらない」といった課題を抱える企業が少なくありません。
NSSOLでは、こうした課題に対して、サーベイを起点とした伴走型の支援を提供しています。現状把握から課題設定、施策立案、実行、効果測定までを一貫して支援することで、EX向上を企業価値創造につなげる実践的なプロセスを構築しています。

※サーベイ:従業員の意識や職場環境に関する実態を把握するためのアンケート調査
※エンゲージメントスコア:従業員が仕事や組織にどれだけ意欲的・主体的に関わっているかを数値で示す指標

 
 
ー人的資本革命に取り組む企業の講演から見えた課題と示唆

イベントでは、人的資本経営の実践に取り組む企業による講演も行われ、EX向上に関する多様な課題と実践的な知見が共有されました。特に以下のような視点が印象的でした。

●エンゲージメント向上には「動機付け要因」だけでなく「衛生要因」への対応が不可欠
→ モチベーションを高める施策だけでなく、職場環境や制度面の整備が前提となる。

●人事施策に対する人事部門と現場の認識ギャップ
→ 現場の実感と人事の意図がずれていることで、施策の効果が十分に発揮されないケースがある。

●データ分析だけでは組織は変えられない。感情への働きかけが不可欠
→ 数値だけでなく、従業員の感情や価値観に寄り添うアプローチが求められる。

これらの講演内容は、NSSOLが展開する「ソシキノミライ」のコンセプトやコンサルティングの方向性とも一致しており、私たちが提供する支援が、こうした課題に対する現実的かつ効果的なアプローチであることを改めて裏付けるものとなりました。

 

ーXM for Employee Experienceインサイトを活用したアプローチ

国際規格であるISO30414では、人的資本に関する69項目のKPI(重要業績評価指標)が定められており、これらを活用することで、採用活動の成果、研修の効果、離職率、従業員のエンゲージメント(仕事への意欲や満足度)、生産性などを数値で把握することができます。これにより、感覚的だった人事施策を、客観的に評価・改善できるようになります。

 

ーESG時代における人的資本の価値

今回の展示では、「従業員の声をどう活かせば、組織の課題解決につながるのか?」というテーマのもと、NSSOL独自のインサイトを活用したアプローチを紹介しました。単なる満足度調査にとどまらず、組織が抱える課題の特定から、具体的な施策への落とし込みまでを支援することで、EX向上が「やりっぱなし」にならない仕組みを提示しています。エンゲージメントスコアが伸び悩む背景には、エンゲージメントと相関しないテーマに取り組んでいたり、定性データからしか見えない課題の真因追究が不十分であることが多くあります。NSSOLでは、Qualtricsのプラットフォームを活用することで、こうした取り組むべき課題を特定し、納得感のある打ち手へとつなげる支援を行っています。また、施策の効果は一度で完結するものではなく、定期的なパルス調査やフィードバックの収集を通じて、状況の変化に応じた柔軟な見直しが求められることを強調。来場者との対話を通じて、改めて以下のような課題が浮き彫りとなりました。

•サーベイの結果が出るまでに時間がかかる
•サーベイ結果を十分に活用できていない(現場に活動を浸透させられていない)
•業務生産性の課題は既存調査でも明らかになっているが、対応が進んでいない

これらの課題に対して、NSSOLが提供する「ソシキノミライ」は、迅速なサーベイ実施と結果活用、現場への浸透支援、そして「ワークスタイル変革」につながる打ち手の提示など、実践的な対応が可能であることを説明。講演で示された課題意識とも重なる内容であり、「自社でもこのような仕組みが必要、取り入れたい」といった前向きな反応を頂戴しました。

 

ーNSSOLの伴走型支援の価値
 

NSSOLでは、EX向上を企業価値の向上に直結する戦略的テーマと位置づけており、課題抽出から施策の立案・実行・効果検証までを一貫して支援する伴走型のアプローチを提供しています。制度やIT環境といったハード面だけでなく、カルチャーやリーダーシップなどのソフト面にも踏み込み、従業員の心に響くEVP※の設計も支援対象としています。
企業の持続的成長を支えるEX向上を実現させるためには、テクノロジーと人の力を融合した複眼的な取り組みが不可欠であると考えます。

※EVP(Employee Value Proposition):企業が従業員に提供する価値や魅力を明文化したもので、採用・定着・エンゲージメント向上の基盤となるコンセプトを指す

 

自社課題に寄り添うEX向上のヒント

Qualtrics社の製品を活用したNSSOLの取り組みは、EX向上を通じて人的資本経営を高度化するための現実的かつ効果的なアプローチを提示しています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。貴社の状況に応じたご提案をさせていただきます。

 



日鉄ソリューションズ株式会社
服部 崇宏


デジタルソリューション&コンサルティング本部
オファリング&コンサルティングセンター
ビジネスイノベーション&コンサルティング部

 

 

 

 

 

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